概要
図面の形状と見た目を組み合わせ、手書きのスケッチからでも目的の機械図面を素早く探せる類似図面検索を研究しています。
研究背景
製造業では、過去の設計図面を再利用できれば、設計時間の短縮や部品の標準化につながります。しかし、図面のファイル名や品番が分からない場合、膨大な保管資料から目的の図面を探すことは容易ではありません。そこで、入力した図面と形が似た図面を検索する技術が求められます。
画像の見た目だけを比較する方法は、線の太さ、文字、寸法線、スキャンの汚れなどに影響されます。特に、現場で描いた手書き図とCAD図面では表現が大きく異なるため、同じ部品でも似ていないと判断される問題があります。

図1 検索に用いる手書き図面と登録図面の例
研究内容
本研究では、図面を画像として捉える「視覚特徴」と、線分や交点など図形として捉える「幾何特徴」を統合します。視覚特徴は部品全体の外観を表し、幾何特徴は線の接続関係や形状の骨格を表します。異なる性質の情報を組み合わせることで、描き方の違いに左右されにくい検索を実現します。
学習時には、同じ部品の手書き図と機械図面が近く、異なる部品が遠くなるように特徴空間を整えます。検索時には入力図面の特徴を一度計算し、登録済み図面の特徴と比較するため、大量の図面にも適用できます。
幾何特徴を加えることで、文字や寸法線が違っていても、主要な輪郭や構造が共通する図面を上位に提示できるようになりました。

図2 視覚特徴と幾何特徴を統合する提案手法
図3 提案手法による類似図面検索の結果例
目的の図面を画像や簡単なスケッチから検索できれば、設計者の経験や命名規則に依存せず、既存資産を有効活用できます。保守部品の同定や類似設計の発見にも役立ちます。
本研究は、動的画像処理実利用化ワークショップDIA2025にて研究奨励賞を受賞しました。
発表文献
[1]藤井絢斗, 林良和, 加藤邦人:「図面の幾何特徴量を用いた類似図面検索」, 動的画像処理実利用化ワークショップDIA2025, IS3-12 (2025).
受賞
DIA2025 研究奨励賞, 藤井絢斗(2025年3月6日受賞).