画像処理・パターン認識|岐阜大学工学部応用情報学科 加藤研究室

岐阜大学工学部応用情報学科 加藤研究室

岐阜大学工学部応用情報学科 加藤研究室

ホーム > 研究紹介 > 画像処理・パターン認識

画像処理・パターン認識

画像処理・パターン認識

近赤外肌検出法のハードウェア実装とその実用化に関する研究

 近年、人の動きを入力するインターフェースが注目されおり、画像処理を用いる手法についても古くから研究されている。
一般的には肌色情報を用いるか、人を示す特徴的な形状を用いて人の検出を行うが、それぞれの手法には多くの課題が残されている。
 そこで、本研究では、近赤外領域における分光反射特性に基づく肌検出法を提案する。この手法は色を用いず、人間の肌特有の特徴的なスペクトル画像を用いて人間の肌という素材そのものを画像中から検出できる手法である。
 本研究では、この提案手法をハードウェアに実装し、実装したシステムを評価することで、実用化の礎とすることを目的としている。

1.近赤外MB光源を用いた肌検出法
 物には固有の光の反射特性がある。この特性を分光反射特性という。この分光反射特性は色として表出される可視領域だけでなく近赤外領域においても同様に固有の光の反射特性をもつ。
 図1に肌、髪および綿布の分光反射特性を示す。ここで、870nm付近から970nm付近へかけての肌の分光反射特性に注目すると、右下がりの特性が見て取れる。それに対し、髪は右上がり、綿布はフラットな特性を持っていることがわかる。
これらから870nmと970nmの近赤外光の反射特性を画像として得ることができれば、それぞれの波長の2枚の画素値で勾配を見るだけで肌が判別できる。これが近赤外肌検出法の基本原理である。

分光反射特性
                  図1:人の肌と髪、綿布の分光反射特性

1.肌は970nmの光を吸収
2.比較のために別の波長を選択
  本研究では870nmを使用
3.各波長の反射光を比較
  I970<I870::肌
  otherwise:その他の素材

2.ハードウェアへの実装
①システム要件
 ・複数のデバイスを並列に制御可能であること。
  ‐カメラ、光源、メモリ等
 ・並列に処理が行えること
  ‐画像撮影、光源照射、メモリの読み書き、画像差分、しきい値処理、画像出力

②同期制御・並列処理ができるFPGA(Field Programmable Gate Array)
FPGAは、書き換え可能な論理ICである。FPGAは、複数デバイスの同期制御に適しており、クロック信号や各種同期信号を基準とする細かい時分割制御を並列に処理することが可能である。
 FPGAで実装することによって、より高速な肌検出が可能となり、このシステムを利用するPC側の負荷を軽減することができる。

FPGA
3.肌検出実験
 作成した肌検出システムの定量的評価を行った。
 実験は、室内、蛍光灯照明化で人種、年齢、性別が様々の被験者での肌検出精度を調べた。
 実験による肌検出結果の一部が図2である。いずれの結果を比較しても、概ね良好に肌が検出されていることが確認できる。
肌検出結果
               図2:肌検出結果
その他の研究分野
メニュー